当鑑定所では、鑑定のご依頼があったときは、下記の基本的手順で鑑定作業を行います。
- 送付いただいた資料で、正確に鑑定できるか否かを検討します。
- 正確に鑑定できないときは、追加資料が提出できるか否かをお尋ねします。
- 正確に鑑定できないとき、(資料の状態が鮮明でないとき等)は資料を返却して鑑定は終了です。(資料返却時には料金を申し受けません。)
- 正確に鑑定できるとなれば、異同診断料金(鑑定資料1葉あたり税別20,000円)を申し受けます。
- 異同診断書では、真偽だけではなく、真偽判断にいたった主な科学的根拠を記載します。
異同診断書の内容は、他の筆跡鑑定人が作成する簡易鑑定書と同等レベルです。
なぜそこまで詳細に記入するかといえば、鑑定書作成となれば、会社員の一ヵ月の給与の手取額程度の費用が必要です。したがって、納得して鑑定書作成に移行できるように詳細な真偽判断を記載します。
異同診断結果がでましたら、鑑定ご依頼人様には、3つの選択をしていただきます。
- 鑑定ご依頼人様の意向と異なるので、鑑定を中断します。
- 関係者間で話し合いを進めるので、鑑定を保留とします。
- 鑑定書作成を依頼します。
異同診断書作成時にお支払いいただいた費用を差し引いて鑑定書作成費用を見積いたします。
なお鑑定書作成は鑑定ご依頼人様と鑑定人との間の委任行為でありますので、委任契約を締結します。
異同診断書作成は、当鑑定所にとっては大幅な赤字であります。
ところが2018年から2020年の3カ年で作成した鑑定書と意見書は118件です。
そのうち意見書作成件数は20件ですので、鑑定書作成件数は98件です。
この鑑定書作成件数に異同診断書作成件数は入っていません。
ちなみに、2018年から2020年で異同診断書作成後、鑑定を中断あるいは保留となった件数は7件です。したがって、中断あるいは保留になった割合は、「7÷(7+98)=0.066」となります。
この割合は他の鑑定人の5分の1未満です。
当鑑定所のモットーは『疑わしきは罰せず』ではなく、『疑わしきはもっと深く鑑定せよ』です。このもっと深く鑑定せよが、他の鑑定人と異なるところです。
つまり、当鑑定所は真正であるデータと偽造であるデータの検出力が極めて高いので、このような結果になっています。
大事な裁判に無用な鑑定費用を支払うことはありません。