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ご挨拶

このたびは藤田筆跡解析鑑定所株式会社のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
弊社は2020年11月2日にたくさんの方々のお支えにより、法人化しました。このホームページは、法人よりオーソライズされた公式なホームページです。

当鑑定所は2012年6月に鑑定業として、事業化を始めました。2022年6月創業以来10年が経過しました。
この間に裁判所に提出した鑑定書と反論書は330件を超え、印影鑑定は100件を超えました。

当鑑定所の鑑定の特徴は筆跡鑑定・印影鑑定共に測定によるデータ・サイエンスを使う、デジタル解析です。

最初に筆跡鑑定に関心を持ったのは、2008年のことでした。
遠縁の方から遺言書が本人の筆跡ではないのではないかと相談を受けました。担当の弁護士様に相談すると、筆跡鑑定を行うのは、博打であるといわれました。

裁判の経過を見ますと、二つの博打を行っていることになりました。
一つは筆跡鑑定人が鑑定依頼人の意向とマッチした筆跡鑑定書を作成してくれるかどうかの博打です。
もう一つは、裁判所がその筆跡鑑定書を裁判の証拠書類として認定するかの博打です。

結果はその一つ目の博打で頓挫してしまいました。
筆跡鑑定人から提出された筆跡鑑定書は、鑑定人の単なる感想文でした。
人生を賭ける裁判において、科学的であるかけらもない筆跡鑑定書で法外な費用を出費する意味があるかが、大変な疑問と憤りを感じました。

それで大学の先輩の先生に、筆跡鑑定の論文を掲載している学会を紹介してもらいその論文を読み解くことから当職の鑑定の研究開発がスタートしました。
延べ15年かけてデータ・サイエンスによる筆跡鑑定と印影鑑定が完成した次第です。

現在当鑑定所の鑑定書が、裁判で証拠として採用される割合は他の鑑定人の2倍以上になっています。更に研鑽して裁判所に提出した鑑定書が証拠書類として採用されるよう努力する次第です。

当鑑定所の特徴

従来の人間の五感(主に視覚)や直感による鑑定ではなく、既存の高等数学の新しい組合せによるデータ・サイエンスによる筆跡鑑定・印影鑑定を提供します。
2015年以降はデータ・サイエンスという言葉が使用され、大学では1年生や2年生では文系・理系を問わず、必修科目になっています。データ・サイエンスは数学や科学、統計、人工知能等を組合せて、データの中にある事実を極める手法です。

データ・サイエンスの基礎は数学にあるので、むやみやたらに測定してデジタル・データにしても正しい結果は得られません。
従来高校生の延長である知識の習得が大学の授業の大半でしたが、情報をデータ化することにより、目視で分からなかったことが、データ・サイエンスで明確になります。
これにより筆跡や印影の真偽が99.9%以上の確率で正確に分かります。

筆跡鑑定や印影鑑定の手法を開発しようと考えたのは、目視では50%以上の確率で正確な真偽判断ができなかったからです。
約13年かけて筆跡鑑定と印影鑑定の鑑定手法をデータ・サイエンス化しました。
この鑑定結果をご依頼者様にお届けしています。
お困りになっていらっしゃる方々をデータ・サイエンスでお助けするのが、当企業の社会的な目的であり、役割であります。

なぜ他の鑑定人や新規の鑑定人がデータ・サイエンスを使わなかったか?
鑑定は真か偽の二択問題です。鑑定手法が科学的でなくても、答えがでます。そのために、データ化やデータ・サイエンス化が遅れた訳です。

分かりやすく言いますと、数学・科学・統計・人工知能が使いこなせる鑑定人がいなかったために30年以上の長い間目視による印象鑑定であった訳で、鑑定人の心証に依存していた訳です。

データは測定が必要ですが、筆跡の場合は同じモノサシで測れるように正規化が必要です。これは数学の文献に記載されています。
印影については現在手彫り印鑑と機械彫り印鑑が主な印鑑の製作手法です。どの程度の精度で作成されるかを知っていないと、押捺時の寸法の誤差範囲を決めることはできません。

その中で重要なことは、真偽判断する際の統計学上の誤りを法曹界が知らなかった点にあります。通常法曹界では統計学の文献は読みません。
真であるのに、偽と判断することを第1種の誤りといいます。これは冤罪で善人に罪をかぶせることになります。
偽であるのに、真と判断するのは第2種の誤りといいます。これは悪人を見逃して、善人に罪を与えることになります。
いずれにしても善人に罪をあたえます。

この2つの誤りを犯さないために何をすればよいかは、文献にあります。
当鑑定所は2019年にようやくこの文献を発見しました。
第1種の誤りは筆跡鑑定において発生します。この問題を正しく解くには人工知能の機械学習が一番いい手法です。
第2種の誤りは筆跡鑑定でも印影鑑定においても発生します。

この問題を正しく解くのはデータ・サイエンスです。
この発見により、真である判断を99.9%以上の精度、偽である判断を99.9%以上の精度で鑑定できるようになりました。

従来の伝統的筆跡鑑定では、目視中心であり、たくさんの鑑定できる成分があっても実質的には抜取り検査です。品質管理では抜取り検査をする場合は、抜き取り検査をする裏付けが必要ですが、その裏付けがなくい状態で、抜き取り検査を行っています。
より具体的に言えば、80%のデータが真であると判断されても、全数検査してなければ、真であるとはいえません。

当鑑定所の鑑定方法

当鑑定所では、真偽の判断に統計学のt分布を使用しています。
これは標本が2個から8個程度であれば、正確に真偽判断できる、小標本に対応した統計検定です。

当鑑定所は筆跡では全成分の全数検査を行っています。伝統的筆跡鑑定の約3倍以上のデータを鑑定しています。
なぜかといえば、目視では個人内変動幅が分からないからです。

個人内変動は筆跡鑑定では分からないと公言している鑑定人がいます。
その鑑定人は自分が数学が分からないといっているだけです。

データだけで真偽判定できない場合があるので、その場合は人工知能の機械学習を使用しての科学的かつ客観的な鑑定を行っています。
筆跡鑑定の結果は確率で判断しています。真である確率は99.9%以上、偽である確率は99.9%以上の鑑定結果になります。真である確率が70%とか80%とかのデータの裏付けのない鑑定は当鑑定所は行いません。

印影鑑定では、印鑑の作成工程を正確に把握理解し、印鑑の寸法精度幅を把握していることが重要です。印鑑は切削加工のために基本的にはCAD/CAMを使います。CAMにはCNC(コンピュータ数値制御)の知識と経験が必要です。これを理解していると印鑑の寸法精度が分かります。

当鑑定所の印影鑑定のベースは測定によるデータ測定によるデータ・サイエンスによるt検定がやはり主力です。
当社は印影鑑定でよく使用されるスーパーインポーズ法を使用することはまずありません。
スーパーインポーズ法は所詮目視による判断であるので、見落としする可能性があります。またスーパーインポーズ法は拡大倍率が4倍程度であるので、精度不足です。

印影鑑定の場合は20倍の程度拡大倍率が最低限必要で、最大200倍まで拡大して鑑定します。
数百年以上解けなかった、似ている似ていないの押合い問題を解決した鑑定人が事実を書いた鑑定書を、鑑定ご依頼人様にお届けします。

当鑑定所の事業目的

弊社の事業の目的は、下記の4点であります。

  1. 筆跡の鑑定手法システムの開発と筆跡鑑定書の作成。
  2. 印影の鑑定手法システムの開発と印章鑑定書の作成。
  3. 統計検定システムの応用と解析書の作成。
  4. その他データ・サイエンスによる解析と問題解決書の作成。

これをお読みいただいてお分かりかと思いますが、弊社が重きを置いている鑑定は、データ・サイエンスを使ったデジタル解析であります。

2020年政府がデジタル庁の設立を決め、ようやく行政においてもデジタル化の動きが本格化しました。
弊社は2012年の創業以来一貫して、データ・サイエンスを使用したデジタル解析を推進してきました。

デジタル化の重要なことは、鑑定検体、標本の特徴がデジタル化され、高等数学で解析できることにあります。
そこで、デジタル化の目的と意味合いについて整理してみます。

  1. 測定
  2. デジタル化データの傾向となすべき解析が分かることがある。
  3. 解析可能数学を使用した解析手法が明らかになる。
  4. 図式化数学の知見がない方でも、可視化により解析結果が分かりやすくなります。

これがデジタル化の極めて有効なことであり、数学で解析することにより精密かつ目視では容易に分からなかった事象が明らかになります。

理学は真実の追求のため、工学は人間の幸せの向上のために利用するといわれます。 理学と工学を利用して鑑定を深めると、これまでよく分からなかったことが見えてきます。

直近4年間の事例

直近4年間に裁判所に提出した鑑定書や意見書等の作成件数は

  1. 2019年
    32件
  2. 2020年
    57件
  3. 2021年
    37件
  4. 2022年
    34件

となりました。

2018年は大阪高等裁判所に筆跡鑑定(書)を提出したところ、それが採用され地裁判決の逆転勝訴を勝ち取っています。2021年には全国の高裁で4件、2022年にも高裁で3件の逆転判決をいただいております。
2020年には県警から鑑定嘱託の依頼を受け、怪文書の筆者を99.95%以上の確率で特定する鑑定書を提出しています。
2022年には東京地裁より印影の鑑定嘱託を受けています。

当鑑定所の費用

弊鑑定所は、正確に鑑定するための手法の確立と鑑定依頼人様にできるだけ金額負担を避ける方法をとっています。

鑑定のご依頼を受けたときは、正確に鑑定できるか否かの基礎解析を行います。資料等の状態等が悪くて、正確に鑑定できないときは、鑑定を辞退しています。
2018年から2020年の間に2件このケースがありました。

また正確に鑑定できると分かりましたら、異同診断書に鑑定結果とその主なる根拠を記載して提出します。この料金は税抜きで2万円です。

依頼人様の意向通りでなければ、それで鑑定は中断となります。鑑定の中断は4年間に4件ありました。

依頼人様のご意向通りであれば、鑑定書の作成作業に入ります。
このときの鑑定書作成費用は、お支払いいただいた異同診断書作成料金を差し引いて残額を基本2回に分けてお支払いいただいております。

時間を要したならば、その時間に対しての対価を申し受けるという考え方もあります。
弊鑑定所は鑑定作業を行えば、受領した金額にかかわらず、必ず鑑定技術として弊鑑定所内に蓄積されるという考え方をとっています。

このようにしてご依頼人様に経済的な負担がかからない手法をとっています。
この仕組みをご理解いただいた弁護士様からは、裁判を始める前か初期の段階で異同診断のご依頼があります。
それは裁判を進めるに当たり裁判方針を初期段階にお決めになるためと、伺っています。

当鑑定所の鑑定作業

弊鑑定所では主に鑑定作業を行っている、筆跡鑑定については位相幾何問題として鑑定を始めます。位相幾何問題は、補助線をどの部位にどのようにして描くかが重要です。

印章・印影問題は、精度の高い工業製品の鑑定という立場で鑑定を行っています。
筆跡鑑定と同様に、補助線をどの部位にどのように描くのかが重要です。
筆跡・印章印影問題は測定が非常に重要になります。

以上が弊鑑定所の概要説明になります。
筆跡、印章・印影について疑問点があれば、電話でお気軽にご相談いただければと存じます。
ご相談は無料で行っております。

データ・サイエンスの一例

データ・サイエンスは想定以上の結果を導き出します。その例を示します。

ある弁護士様より、1960年代1万メートル上空の航空写真を解析して、農家の納屋の影に土地の境界となる塀が存在したか否かを鑑定してくれと依頼がありました。

鑑定画像

黄色の部分の影に塀があったか否かの問題です。

鑑定画像

赤い線の部分に確かに塀が存在したと言えます。

また筆跡の筆圧を解析してクラスター分析も最近行いました。

鑑定画像

文字は17画の漢字ですが、特に3画と11画に筆者の筆圧の筆跡個性がありました。
標本は同一筆者の筆跡で、原点付近に誤差範囲が小さく3つに固まっています。
赤い楕円が真正な筆者の誤差範囲です。

裁判で相手方は検体1ないし3は本人の筆跡であると主張しています。
検体1は遺言書、検体2は署名ありの文書、検体3も署名ありの文書です。
この解析結果では99.9%以上の確率で全く別の4人の筆者がいるとの結果となりました。